オーセンティック・リーダーシップとは

オーセンティック・リーダーシップの意味

オーセンティック・リーダーシップとは自分自身の価値観や信念に従って行動し、株主や上司に強いプレッシャーをかけられても不正会計やコンプライアンス違反などに決して手を出さず、強い倫理観でメンバーを導けるリーダーのことです。

オーセンティック・リーダーシップの詳しい説明

2000年代、売上高全米7位を誇っていたエンロン社は粉飾決算が明るみに出て経営破綻し、他でもいわゆるMBAホルダーとよばれる人々が利益追求のために不正会計を行って、多くの事件を巻き起こしていました。リーダーでありながら利益のためなら不正にも手を染める。当時このような人材を育てたハーバードをはじめとするビジネススクールに非難が集中し、ビジネススクールでは利益追求の考え方から倫理観に重きを置いた教育もされるようになりました。これらを背景に米国メドトロニック社の元CEOであるビル・ジョージは倫理観を重視したオーセンティック・リーダーシップを提唱しました。オーセンティック(authentic)とは、直訳すると「本物の・確実な・真正な」という意味です。外からのプレッシャーに負けず、自分自身の価値観や信念に従って行動し、誰の目から見てもオープンであるので、ついついメンバーも付いていきたくなる。そして理想的には、リーダーの姿にメンバーは共感・信頼を覚え、リーダーの様々な支援を受けながら幸福感に満ちた職場で仕事に励み、組織としての成果に結びつきやすくなります。
具体的にオーセンティック・リーダーには以下の5つの特性が備わっているとしています。

・自分の目標を理解している
・自身の価値観に忠実である
・情熱的に人をリードする
・人間関係をしっかり構築する
・自身の規律を守る

確かに自分がフォロワーの立場だとすると、このような特性がある人についていきたくなりますし、社会的に見ても不正とは無縁で安心して会社や事業の舵を任せることができますね。

今回の記事で何を伝えたかったかというと、歴史が物語っているように不正に走ったリーダーは非難され、最悪の場合は経営破綻に至り、多くのステークホルダーと社会に迷惑をかけてしまいます。今やリーダーへの期待は指導者としての力量に加え、人としての本質、信念などに重きが置かれているということです。会社のリーダー研修でコンプライアンスなどを復習するのはこのような考え方からです。
.
関連記事:
倫理観に基づくリーダーシップ
.
リーダーシップ論の記事一覧はコチラ


スポンサードリンク


次の記事

サーバント・リーダーシップの意味 サーバント・リーダーシップとは1970年にアメリカのリーダーシップ研究者グリーンリーフ(Greenleaf)によって提唱されたリーダシップスタイルです。「リーダーはまず相手に奉仕し、その相手を導くもの」とい[…]

当サイトのランダム記事2つ

AIとはArtificial Intelligenceの略で人工知能の意味です。現在だとAIとは人間と同じように自ら学習し、推測・判断できる存在くらいに理解しておけば良いです。AIという言葉が1956年のダートマス会議(=研究発表会)で初めて使われて […]

目次 1 ピグマリオン効果の意味2 ピグマリオン効果のマネジメントへの応用2.1 ①過去の評価ではなく、ポテンシャルを見て期待することも重要2.2 ②期待を部下に伝えることが重要3 あとがき ピグマリオン効果の意味 ピグマリオン効果とは人間は他者から […]



スポンサードリンク

リーダーシップ論の最新記事8件