ハーズバーグの二要因理論とは

ハーズバーグの二要因理論の意味

二要因理論とは、1960年代にハーズバーグ(Herzberg)が提唱したモチベーションに関する理論です。仕事に対して満足感を感じる動機づけ要因と不満を引き起こす衛生要因は分けて考えるべきということを述べています。

動機づけ要因とは

動機づけ要因は満たされると従業員は仕事に対して満足感を感じてモチベーションが向上します。動機づけ要因の例としては以下のような要因があげられます。

目標達成:やりがいがあり、達成可能な目標が設定されているか
承認:上司や同僚から認められているか
仕事内容:興味深く自ら取り組みたくなるような仕事か
責任:責任と権限をもつ仕事か
成長:スキルアップする機会があるか

これらの動機付け要因は、マズローの欲求5段階説の自己実現欲求、尊厳欲求、社会的欲求の一部に該当する欲求になっています。

衛生要因とは

衛生要因は満たされると従業員は不満が解消されて働きやすくなり、離職防止に繋がります。しかし、どれだけ衛生要因を満たしても、従業員は不満の解消は当然であると感じるため、不満が解消されるだけで、決して満足感を感じることはありません。衛生要因の例としては以下のような要因があげられます。

企業の方針:企業の方針が明確でわかりやすく納得できるものかどうか
上司の監督:管理の仕方、自立性を持って仕事が出来るか
労働環境:十分な衛生状態や仕事道具が用意されているか
給与:同僚や他者と比較して適切な給与か

これらの衛生要因は、マズローの欲求5段階説の社会的欲求の一部、安全欲求、生理的欲求に該当する欲求になっています。この理論が画期的であったのは、動機づけ要因と衛生要因の二つの要因が独立していることに気づいた点です。例えば、衛生要因である給与に不満を感じている従業員がいたとして、昇給によって不満を解消したとします。この場合、彼の不満は解消されますが、満足感を感じるわけではありません。つまり、衛生要因をどれだけ満たしても動機づけ要因が満たされなければモチベーションは高まりません。目的が離職防止であるなら衛生要因を改善することは正しいですが、モチベーション向上を目的にするならば動機づけ要因に目を向ける必要があるのです。このようにハーズバーグの二要因理論は大きな経営課題である従業員のモチベーション低下に対して明確に方針を定めて取り組むことができる点が大きく評価されました。

あとがき

例えば、ベンチャー企業の従業員が高いモチベーションを維持している理由もこの理論から捉えると納得がいきます。衛生要因を無視しながらも動機づけ要因に全振りした企業方針により、高いモチベーションを維持しているのです。
.
関連記事:
動機付け理論/マズローの欲求5段階説/マズローの欲求6段階説
.
リーダーシップ論の記事一覧はコチラ


スポンサードリンク


次の記事

1950年代、心理学者であり経営学者であるダグラス・マクレガーは「人間は本来怠け者であり、強制されなければ仕事をしない」とするX理論と、「人間は生まれつき仕事が嫌いという訳では無く、条件次第では自ら進んで働く」とするY理論の二つの考え方があ[…]

当サイトのランダム記事2つ

変革のリーダーシップは変化の激しい環境下でリーダーはビジョンを共有し、メンバーの能力を引き出し、権限委譲を促進することで変革を実現できるという考え方が基本になっています。1980年代以降、アメリカの国際競争力低下を背景に、不確実性の高い中でも国際競争 […]

ニーズとウォンツの意味 ニーズとは、人間が感じる“満たされない状態”のことであるのに対し、ウォンツとは、ニーズを満たすための“具体的な商品やサービス”のことです。例えば、「お腹がすいた。何か食べたい」はニーズであり、「ラーメンが食べたい」はウォンツに […]



スポンサードリンク

リーダーシップ論の最新記事8件