マレーの欲求リストとは

マレーの欲求リストの意味

マレーの欲求リストとは心理学者のマレー(Murray)が作成した人間の持つ欲求を40種類に分類したリストです。マレーは「人間が行動する理由は欲求を満たすためである」とする欲求に基づいた動機づけ理論の初期の研究者の一人です。マレーは人間の欲求を呼吸や食事など生命を維持するために必要な欲求「生理的欲求」と社会的生活において必要な欲求「社会的欲求」に分類しました。マレーの作成したリストには生理的欲求として12種類、社会的欲求として28種類の合計40種類の欲求があげられています。

生理的欲求:吸気・飲水・食物・感性・排泄・性的・呼気・授乳・暑熱回避・寒冷回避・毒性回避・障害回避
社会的欲求:獲得・保持・保存・整然秩序・構築・承認・達成・顕示・優越・不可侵・防衛・屈辱回避・反動・支配・服従・模倣・自律・攻撃・屈従・対立・親和・養育・援助・拒絶・認知・説明・非難回避・遊戯

リストを見ると取り上げられている欲求が非常に網羅的であることが分かります。また、このリストは人間の潜在的な不満やニーズのリストとも言えるため、ビジネスの世界で広く応用されました。例えば、マーケティングや商品開発では顧客の潜在的なニーズを見つけ出す際にこのマレーの網羅的な欲求リストは便利な存在となりました。

マレーの欲求リストとマズローの欲求5段階説の比較

人間の欲求を分類したリストとしては欲求を五つに分類したマズローの欲求5段階説が有名です。人間の欲求をリスト化したという点では同じものですが、マズローは5種類、マレーは40種類と大きく数が違います。この理由はマズローは「人間には満たさなくても問題のない欲求がある」として、全ての欲求をリストに取りあげたわけではないからです。対してマレーは人間の欲求を網羅的にリスト化しました。また、マレーは個人によってそれぞれの欲求の強弱には差があり、それが人間の個性であるとした点もマズローの理論とは異なる点です。

あとがき

欲求のリストを見ていると「支配」と「服従」、「自律」と「模倣」など矛盾しているような欲求がリスト化されていることも面白いですね。「他人を支配したい」という欲求を持ちながら心のどこかで「何も考えずに誰かに従っていたい」という欲求を持っていたり、「オリジナルな存在でありたい」という自律欲求がありながら、どこか「みんなと一緒がいい」という模倣欲求を持っている。人間の行動が難解に見える理由は人間の複雑に混じり合った欲求の結果なのかもしれません。また、この後、欲求に基づく動機づけ理論は労働者のモチベーションを管理する方法として、欲求を「達成欲求」「親和欲求」「権力欲求」に分類したマクレランドの欲求理論へと発展していきます。
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