AMTULとは

AMTULの意味

AMTULとは、日本語で“アムツール”と発音し、顧客が商品を認知してから固定客になるまでの心理状況の変化を示したものです。顧客は商品を購入するまでに、商品を認知(Attention)して、記憶(Memory)し、試験的に一度試用(Trial)、その後、頻度を上げて日常利用(Usage)するようになり、最終的には愛用者になって固定利用(Loyality)すると考えたマーケティングのフレームワークです。それぞれのステップの頭文字を取ってAMTULと呼んでいます。
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AMTULの説明 .
これは、ターゲット顧客がどの状況にあるか見極め、それぞれのステップで最適なマーケティング施策を検討するためのフレームワークです。例えば、新商品を発売した場合、ターゲット顧客の多くが商品を既に記憶しているが、試用することに躊躇しているのであれば、無料サンプルを配ったり、全額返金保証キャンペーンを実施して試用(Trial)のステップまで顧客を誘導することがマーケティング目標となります。更にその際、メンバー会員に入会させ、2回目利用の割引券を発行などすれば、日常利用(Usage)のステップまで顧客を誘導することも期待できます。このようにAMTULはターゲット顧客がどの状況にあるか見極め、最適なマーケティング施策を検討するためのフレームワークなのです。

定量評価によるAMTULの状況把握

AMTULの優れている点は、顧客がどの心理状況にあるか、調査により定量的に把握することができる点です。例えば、自社のシャンプーに関して調査を行う場合、以下のような質問アンケートで顧客の状況を把握することができます。

認知(Attention)
Q2「以下のシャンプーのうち、知っているものはどれですか」
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記憶(Memory)
Q1「シャンプーと聞いて思い浮かぶ商品名をあげてください」
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試用(Trial)
Q3「以下のシャンプーのうち、利用したことがあるものはどれですか」
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日常利用(Usage)
Q4「以下のシャンプーのうち、現在利用しているものはどれですか」
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固定利用(Loyality)
Q5「以下のシャンプーのうち、今後も使い続けたいものはどれですか」

※認知を調査した後に記憶を調査できないので、記憶、認知の順番で調査する必要があります。

例えば、このようなアンケート調査をターゲット顧客1,000人に対して行うことで、以下のような図を作成し、自社商品の課題を突き止めることができるのです。
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AMTULによるボトルネック特定のイメージ.
この例なら記憶(Memoryと)試用(Trial)の間に大きなギャップがあるので、記憶まで到達した人を試用のステップまで誘導することがマーケティング目標となります。

AIDMAから進化したAMTUL

AMTULは1970年代に日本マーケティング研究所の水口健次氏が提唱したものですが、これはAIDMAが元になっています。AIDMAは1920年代に提唱され、顧客は商品を購入するまでに認知(Attention)、興味(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)、購買行動(Action)のステップを踏むとしたモデルで、顧客の購買行動を説明するフレームワークでは最も有名です(詳細:AIDMAとは)。しかし、AIDMAは①購買後の顧客行動について言及していないことや②顧客がどの心理状況にあるか、正しく評価することが困難という欠点があり、AMTULはそれらの欠点を補完するために提唱されました。特に現在では多くの市場が成熟期を迎えており、新規顧客を獲得することが困難であるため、顧客維持、つまり購買後の顧客行動に重きを置いたマーケティングも重視されているので(詳細:リレーションシップ・マーケティングとは)、AMTULはますます重要になってくるのです。

AISASとの違い

AIDMAの他にもAIDASやAIDEESなど購買行動を説明するフレームワークは数多くあり、それぞれ目的により最適なフレームワークは異なります。中でも特に有名なのがAMTUL、AIDMAに加えてAISASです。AISASを少し紹介すると、AISASはインターネットが発達した現在では、顧客は商品を認知(Attention)、興味(Interest)、検索(Search)、購買行動(Action)、情報共有(Share)のステップを踏むとしたモデルで、Webマーケティングなどでは特に重宝されます(詳細:AISASとは)。

あとがき

AMTULは優秀なのですが、普通のサラリーマンはあまり知りません。やはり、AIDMAやAISASの方が有名です。会社などであまり誰も知らないフレームワークを用いると、フレームワークの説明から入らないといけないのであまり効率的では無いですし、嫌な雰囲気になるのでAMTULを使うときは気を付けてくださいね笑。
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