面接官が見るグループワークと面接のポイント

結論から書きます。企業の採用ホームページへ行くと求める人物像なるものが書かれていますが、まさしくこれがES・面接・グループワークで面接官がずっと評価している部分です。また、様々な企業の求める人物像を分析すると多くの企業が「新しい価値(もの)を作ることができる人」のような人を求めています。更にこれをかみ砕くと、

新しい価値(もの)を作ることができる人=自分なりの経験を持っており人の話をしっかり聞き、理解できて+人に意見を話し、理解してもらえる人

となり、学生はグループワークや面接を通して、聞かれた質問をしっかり理解し、質問に対して自分らしい経験を分かり易く答えればそれだけで良いのです。それでは、詳しく説明します。

求める人物像の重要性

企業の採用ホームページへ行くと求める人物像なるものが書かれています。そして企業の採用担当者はこの求める人物像を基に採用する学生を決めています。なぜなら新卒採用は企業からすると未来の人材をスクリーニングするとても重要な活動なので、末端の人事が何となく「じゃあこの人」と決められる訳が無いのです。また、採用担当者は大勢いるため、面接する担当者によって採用する学生がバラついては、特徴がよく分からない組織が出来上がってしまいます。そのために企業は採用活動で明確な評価軸を定めています。これが採用ホームページでよく記載されている求める人物像なのです。

求める人物像はどのように決めているのか

では、そもそも企業は求める人物像をどのように決めているのか。これを一通り理解することで、面接官が何を考えて評価しているか分かるので、かなり就活を有利に進めることができます。答えを分かった上で試験に挑めるようなものですね。実際に今から私が国内メーカー企業の人事になったつもりで、求める人物像を簡単に導出しますので、その考え方を理解いただければ幸いです。(ほとんどの企業に当てはめることができるよう抽象的に導きます)

採用について考える

求める人物像を導出するためには、まず採用とは何なのかについて考える必要があります。「今年で5人退職するから来年に5人雇おう」みたいな安直な考え方ではなく、採用とは理想の企業像に近づくための手段だと考えられます。
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企業における採用意味の説明

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つまり、企業の今の現状と将来の理想像を比較し、現在足りないものを補う手段が採用だと考えました。従って、企業の現状と将来の理想像を把握する必要があります。

企業の現状分析と理想像を把握する

特定の企業であればインターネット上からでも簡単に「企業名 アニュアルレポート」、「企業名 ビジョン」などと検索して企業の現状と理想像を把握することができますが、今回は皆さんが応募するあらゆる企業に対応したいので可能な限り抽象的に話を進めます。まずは企業の理想像について、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーへ」や「A Better Life, A Better World」など表現の仕方は企業により異なりますが、だいたいの国内メーカーは“グローバル化”したがってます。その簡単な理由として、国内と海外の市場をヒト、モノ、カネの観点から見たときに
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国内メーカーがグローバル化する理由.
明らかに海外が魅力的だからです。次に現状分析ですが、ほとんどの国内メーカー企業は世界中に競合他社が存在し、拠点が日本に集中しています。極端な話、これらの競合他社を倒し、拠点を海外に地理的拡大することでグローバル化を行うこと(企業の理想像に近づくこと)ができると言えます。

企業の理想像に近づくためには何が必要かを理解する

競合他社を倒し、拠点を海外に地理的拡大するには結局何が必要なのでしょうか? それは「新しいものを作る」ということが必要になります。下の図はヒット商品のライフサイクルを表したグラフですが、例えば2000年代には5年以上ヒットした商品は全体の5%ほどしかないことが分かります。つまり商品のライフサイクルは年々短期化していることが分かります。(引用:(社)中小企業研究所(04年11月) 製造業販売活動実態調査)
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ヒット商品のライフサイクル.
この状況下で他社を倒すためにはどんどんと新しいものを作り、他社より優位に立つ必要があります。また、地域ごとに商品のニーズは異なるため、地理的拡大を行うためには地域ごとで新しいものを作る必要があります。これらのことから、グローバル化を行う(企業の理想像に近づく)ためには「新しいものを作る」ことが必要だと言えます。

求める人物像を決定する

では、そもそも新しいものはどのようにして生まれてくるのでしょうか? それには2パターンがあるように思われます。
(1)優秀な一人の人間からアイデアが生み出されるパターン
(2)様々な人が話し合う中でアイデアが生み出されるパターン
前者はApple社やFacebook社のような場合です。しかし、会社のような「組織」では一人に頼り切ってしまうことは非常に不安定であり、後者のようなパターンが理想的だと言えます。そして、(2)を実現するためには、留学や体育会系など様々な経験を有した人々が、人の話をしっかり聞いて理解し、自分の意見を分かり易く発言して議論する必要があります。つまりこれを達成できる人物が求める人物像となります。

求める人物像:新しい価値(もの)を作ることができる人自分なりの経験を持っており人の話をしっかり聞き、理解できて人に意見を話し、理解してもらえる人

これまでのことを簡単にまとめますと、

国内メーカーはグローバル化をしたがっており、グローバル化を行うためには新しいものを作ることが必要となります。そして、新しいものを作ることができる人を採用し、その新入社員が何年か先に企業のグローバル化に貢献してくれるのを期待しているのです。

実際に日本のメーカー企業の求める人物像は
江崎グリコ「変化を恐れず、自らをも変革させ続け、一人では達成できない大きな目標に共に挑める人」
リコー「新たな価値創造のために、高い目標を掲げ、未知の領域に積極的にチャレンジできる人材」となっています。よって、学生としては就活を通して聞かれた質問をしっかり理解し、質問に対して自分らしい経験を分かり易く答えればそれで良いのです。

更なる高評価を狙う

面接などで更に高評価を得るには自分らしい経験を話す時に、当時の情熱、困難にどう対処したか、チームとしてどのような役割で貢献したかなどを語ってやれば良いです。今の皆さんならなぜこれらのエピソードが有効か理解できると思います。なぜなら、新しい価値(もの)を作るには、情熱が必要です。また、新しい取り組みを行うと必ず壁にぶち当たります。この壁を乗り越えられる人なのか、チームとしてどのように対処する人なのか。これらを面接官は知りたいからです。一度皆さんの企業がどのような人を求めているのか確認し、それに合わせて選考に挑めば必ず内定を勝ち取ることができます。
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