「リーダー」 「チャレンジャー」 「フォロワー」 「ニッチャー」の戦略とは

これまで、ポーターの3つの基本戦略など、市場での競争優位を構築するための基本的な戦略パターンを記載してきました。このポーターの3つの基本戦略以外にも、業界を「リーダー」 「チャレンジャー」 「フォロワー」 「ニッチャー」と区分して競争優位の構築を検討するフレームワークがあるので、今回はそれについて記載します。

「リーダー」 「チャレンジャー」 「フォロワー」 「ニッチャー」の戦略とは

近代マーケティングの父と称されるフィリップ・コトラーは業界のタイプを以下の4つに区分して、それぞれのタイプの企業が競争優位を構築するための基本的な戦略パターンを述べています。
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リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの説明

リーダー

リーダーは業界でトップシェアを誇る企業です。あらゆる品質や価格帯の商品ラインナップを有する全方位型戦略で①市場の拡大や需要の喚起、②シェアの維持や拡大に努める必要があります。

①市場の拡大や需要の喚起

いくらシェアが高くともその市場が廃れては元も子もありません。リーダー企業は市場自体が拡大するように、新たなターゲット層の拡大や、業界全体にプロモーション活動を行うことで需要を喚起する必要があります。例えば、ハンバーガー業界のリーダー企業であるマクドナルドは、ハンバーガーがランチのイメージで強く顧客に認知されていたので、夕食としての市場を獲得するため、17:00以降はプラス100円でパティを倍にできるようにする「夜マック」で市場の拡大を図りました。

②シェアの維持や拡大

リーダーは常にチャレンジャーとのシェアの奪い合いになるので、シェアの維持や拡大に取り組む必要があります。例えば、チャレンジャーが行ってきた差別化戦略に対し、経営資源やノウハウのあるリーダーは模倣した商品を導入してチャレンジャーの差別化要素を無効化することができます。更に、リーダーは認知度やチャネルシェアなどがチャレンジャーに比べて有利なため、模倣するだけでも更なるシェア拡大を図ることができます。

チャレンジャー

チャレンジャーは業界で2位以下に位置し、他社に戦いを挑んでシェアの拡大を図る企業です。①直接対決、②背面攻撃、③後方攻撃のいずれかの戦略でシェアの拡大に努める必要があります。

①直接対決

リーダーに対してある程度の差別化ポイントはあるものの、比較的似た方法で直接勝負を挑む戦略です。ここで勝てばリーダーの地位を奪うことができます。例えば、キリンビールはアサヒビールに対してある程度の差別化ポイントはあるものの、似たような商品、チャネル、プロモーションで直接対決しています。

②背面攻撃

リーダーの弱点を突いた部分に注力してシェアを奪う戦略です。例えば、コンビニ業界1位であるセブンイレブンは密度の経済性を効かせるために、出店エリアを限定して、その出店エリア内で多数の店舗を出店する戦略を取っていました。しかし、ローソンは一気に全国に店舗を拡大する戦略で、1996年には全47都道府県に出店しています(セブンイレブンは2019年に沖縄県にようやく参入)。このようにリーダーの基本ポリシーから外れた部分を狙うことも背面攻撃と言えます。

③後方攻撃

自社よりもシェアの小さい企業からシェアを奪う戦略です。

フォロワー

フォロワーは業界で2位以下に位置し、危険を冒さずシェアの維持を図る企業です。リーダーやチャレンジャーに敵対視されることを避けながらも、リーダーが切り開いてくれた市場で儲けることに努めます。基本的にリーダーの商品を模倣するため、開発コストやプロモーションコストなどを抑えることができます。例えば、iPhoneの非正規品のイヤホンなどは正規品を模倣した商品でありながらも、価格を安価にすることで、一定のシェアを得ています。

ニッチャー

ニッチャーは業界のニッチ(穴場)なセグメントでトップを目指す企業です。大手が本気で参入してこないようなニッチ(穴場)な市場に経営資源を集中投下し、高い専門性やブランド力で参入障壁を構築することに努めます。例えば、カップ麺業界のペヤング(まるか食品)は若い男性をターゲットにボリューム感がある商品イメージを徹底し、絶対的な地位を築いています。

あとがき

これまで「リーダー」 「チャレンジャー」 「フォロワー」 「ニッチャー」の基本的な立ち位置や戦略を理解することを第一に記載してきましたが、今の現実の世界ではもう少し複雑に物事を考える必要が出てきます。とは言え、基礎があっての応用だと思いますので、まずは今回の内容を理解いただけたなら嬉しいです。
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