経営戦略とは

経営戦略とは外部環境の機会と脅威に対して自社の強みと弱みをマッチングさせながら自社の目標を達成するためのアクションプランを検討するための分野です。しかし、明確な定義は無く、そもそも経営戦略が発展したのは第二次世界大戦後なので、学問としてはまだ歴史も浅いです。この記事では経営戦略のこれまでの歴史と経営戦略の概要を全社戦略と事業戦略に分けて簡単に説明します。

経営戦略の歴史

そもそも戦略(Strategy)は軍事専門用語でした。古くは古代ギリシャやローマなどに始まり、局地的な戦闘手段(Tactics)ではなく、どこの拠点を抑えれば今後の戦いに有利になるかなど、広い範囲を睨んだ戦い方が戦略として研究されてきました。そして時代は流れ、軍を企業に、戦略家を経営者に置き換えたのが経営戦略です。初めて経営戦略の用語が使われたのは1944年に数学者であるノイマンと経済学者であるモルゲンシュテルンによってですが、その背景としては大きく二点あります。まず一つ目は第二次世界大戦まで急成長を続けてきた米国企業にとって、組織が巨大化する中で「目標」という曖昧な概念では経営全体をコントロールできなくなってきたこと。二つ目は1946年に最初のベンチャーキャピタル(投資会社)が設立され、企業は投資してもらうために「目標」以上の具体的な説得力のある計画を提示する必要があったためです。このような背景で経営戦略の概念が発展しました。

全社戦略と事業戦略

まず押さえておきたいのが、企業が経営を行う上で最上位の概念となるのは、経営理念と経営ビジョンです。経営理念は時代の流れによって左右されない、曲げてはならない経営に対する信念のことで、経営ビジョンは経営理念と世の中や自社の変化を考慮して掲げた“ありたい姿”のことです。(詳細は経営戦略における経営理念と経営ビジョンの役割を参考) そして、これら経営理念と経営ビジョンを実現するための手段として経営戦略があり、経営戦略は全社戦略と事業戦略の二つの階層に分かれます。

全社戦略

企業は経営理念や経営ビジョンの実現に向け、どの事業領域で戦い、どの事業領域からは手を引くのか、社内の限りあるリソースをどの事業領域にどの程度割くのかを決定する必要があります。このような全社視点での戦略を全社戦略と言います。(詳細は全社戦略とはを参考)

事業戦略

全社戦略を策定することで、各事業に投資する社内リソースや各事業に求める経営目標などが決定し、各事業部は事業部視点で目標達成や各業界で戦うための戦略を立てます。このような特定の事業内での戦略を事業戦略と言います。(詳細は事業戦略とはを参考)
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経営戦略における経営理念と経営ビジョンと全社戦略と事業戦略のポジション

あとがき

最初に記載したように経営戦略とは外部環境の機会と脅威に対して自社の強みと弱みをマッチングさせながら自社の目標(経営理念や経営ビジョン)を達成するためのアクションプランを検討するための分野です。そして、経営戦略には全社戦略と事業戦略の二つの階層があります。というのが今回の記事のまとめです。更に、①経営戦略における経営理念と経営ビジョンの役割、②全社戦略とは、③事業戦略とはの順に記事を読んでいただくと、戦略策定の例を経営戦略で有名なフレームワークを用いながら記載しているので、経営戦略という分野のイメージがより一層掴めるようになります。時間の無駄にはなりませんので、どうかこちらも読んでいただけると嬉しいです。
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