ネットワークの経済性(ネットワーク外部性)の意味
YouTubeやメルカリなどのネットサービスにおいて、ユーザー数が増えれば増えるほど、ユーザーの利便性が増し、新規ユーザーを獲得するためのコストや、サービスを維持するためのコストを軽減することができます。これをネットワークの経済性、またはネットワーク外部性と言います。
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例えば上の図では、左よりも右の状態の方がネットワークの経済性が高いと言えます。これがYouTubeのようなネット動画サービスだとすると、左と比べ右の状態の方が、ユーザーが動画を投稿するとそれを見てくれる視聴者が多く、別のユーザーが動画を見るため検索する際には、多くの動画の中から自分が見たい動画を選ぶことができます。このようにユーザーが増えれば増えるほど、ユーザーの利便性が増し、一度このサイクルが回ると自律的にユーザーが増えていくため、新規ユーザーを獲得するためのコストが軽減します。また、ユーザーが少数でも多数の場合でもサービスを維持するための費用に大差は生じないので、ユーザー数が多い方が一人当たりにかかるサービス維持のコストは軽減されます。
「規模の経済性」、「経験効果」、「範囲の経済性」、「密度の経済性」の違い
ネットワークの経済性と似ている言葉で「規模の経済性」、「経験効果」、「範囲の経済性」、「密度の経済性」があります。それぞれごちゃごちゃに理解しないよう簡単に記載しておきます。
規模の経済性
規模の経済性は一定期間の生産量に着目し、製品を多く生産することで製品一つ当たりにかかる固定費を安くし、製品一つ当たりのコストを安く抑えることを指します。人件費や土地代などの固定費は生産量に関わらず一定なので、製品を10個作る場合も100個作る場合もかかる固定費は同じです。この場合、100個作った方が製品一つ当たりの負担する固定費が安くなるので、製品を多く生産することでコストを安く抑えることができます(詳細:規模の経済性)。
経験効果
経験効果は生産量ではなく累積生産量に着目し、累積生産量が多くなればなるほど、その製品一つ当たりのコストが安くなることを指します。何回も同じものを作れば慣れてスピードが上がり、失敗品も少なくなることは容易にイメージできると思います。このように経験によるコストダウンを指します(詳細:経験効果)。
範囲の経済性
範囲の経済性はある企業が複数の事業を運用する場合、別々の企業が独立してそれらの事業を運用するよりもコストが安くなることを指します。人材や設備、技術など、事業が違っても一部共有してコストが削減できます(詳細:範囲の経済性)。
密度の経済性
密度の経済性はコンビニなどの小売店において、店舗を狭い範囲に多く配置すればするほど、商品の輸送コストが安くなり、また、店舗自体が広告になるため広告費なども節約できることを指します(詳細:密度の経済性)。
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目次 1 KSFの意味2 KSFの特定方法3 KSFを特定する実例3.1 5F(ファイブフォース)分析3.2 KBFの特定3.3 まとめ4 あとがき KSFの意味 KSFはKey […]