経験効果とは

経験効果の意味

経験効果とは累積生産量が多くなればなるほど、その製品一つあたりのコストが安くなることを指します。これは1972年にボストンコンサルティンググループが発見した経験則で、一般的に累積生産量が2倍になると一つあたりのコストが10%~30%ずつ減少すると言われています。(もちろん減少率は業界や製品、状況により異なります)
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経験効果の説明

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累積生産量が多くなるにつれて製品のコストが安くなる理由は主に「学習」によるものだと考えられています。人は同じ作業を繰り返すにつれ、スピードが上がり、正確性も増してエラーを少なくできます。また、作業方法自体も改善して効率性を高めることもできます。他にも生産設備の強化や部品調達ルートの見直しなど、人は常に学習しながら改善策を探り、コスト削減を行います。昔、これらの活動をいくつも調査し、だいたい平均してどの企業も
累積生産量が2倍になると一つあたりのコストが10%~30%ずつ減少すると一般化された理論こそが経験効果なのです。

規模の経済性と範囲の経済性との違い

経験効果と似ている言葉で「規模の経済性」と「範囲の経済性」があります。それぞれごちゃごちゃに理解しないよう簡単に記載しておきます。規模の経済性は累積生産量ではなく、一定期間の生産量に着目し、製品を多く生産することで製品一つ当たりにかかる固定費を安くし、製品一つ当たりのコストを安く抑えることを指します。人件費や土地代などの固定費は生産量に関わらず一定なので、製品を10個作る場合も100個作る場合もかかる固定費は同じです。この場合、100個作った方が製品一つ当たりの負担する固定費が安くなるので、製品を多く生産することでコストを安く抑えることができます(詳細:規模の経済性)。範囲の経済性はある企業が複数の事業を運用する場合、別々の企業が独立してそれらの事業を運用するよりもコストが安くなることを指します。人材や設備、技術など、事業が違っても共有してコストが削減できます(詳細:範囲の経済性)。

密度の経済性とネットワークの経済性との違い

更に、マイナーなところだと「密度の経済性」と「ネットワークの経済性」という言葉もあります。密度の経済性はコンビニなどの小売店において、店舗を狭い範囲に多く配置すればするほど、商品の輸送コストが安くなり、また、店舗自体が広告になるため広告費なども節約できることを指します(詳細:密度の経済性)。ネットワークの経済性はYouTubeやメルカリなどのネットサービスにおいて、ユーザー数が増えれば増えるほど、ユーザーの利便性が増し、新規ユーザーを獲得するためのコストや、サービスを維持するためのコストが軽減することを指します。(詳細:ネットワークの経済性)。
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