職務特性モデルとは

職務特性モデルの意味

職務特性モデルとは働く人間の内発的モチベーションを職務の特性によって説明した理論です。1960年代に組織心理学者のハックマン(Hackman)によって提唱されました。人間の仕事へのモチベーションは大きく二つに分類することができます。一つは給料や懲罰などの外部からの刺激に基づく外発的モチベーション、もう一つが人間の内部から湧き上がってくる欲求に基づいた内発的モチベーションです。ハックマンは労働者の内発的モチベーションが高まるのは「仕事への有意義感」「仕事への責任感」「結果への知識」が満たされた時であるとし、これら三つの心理状態を重要な心理状態と呼びました。そして、重要な心理状態は労働者が従事している仕事の特性に依存するとし、重要な心理状態に影響を与える仕事の特性として「技能多様性」「タスク完結性」「タスク重要性」「自律性」「フィードバック」をあげ、この五つの仕事の特性を中核的職務特性と呼びました。
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職務特性モデルの説明.
仕事への有意義感は労働者の従事している仕事の技能多様性、タスク完結性、タスク重要性が高い時に満たされます。同じように仕事への責任感は仕事の自律性が高い時、結果への知識はフィードバックが十分である時に満たされます。このようにして、重要な心理状態が満たされた時、労働者の仕事への内発的モチベーションが高まり、職務に対する満足度が向上するのです。

仕事への有意義感

仕事への有意義感は自分の仕事は自分の能力を発揮していて、誰にでも出来る仕事ではなく、誰かの役に立っていると感じていることです。先にも述べたように仕事への有意義感を満たす中核的職務特性は以下の三つです。

技能多様性:仕事に必要とされる能力の複雑さや多様さ
タスク完結性:作業が業務全体の中の一部なのか、完成まで一貫して担当するかどうか
タスク重要性:仕事が顧客や同僚など周囲の人間にどれだけの影響を与えるか、重要な仕事をしていると感じるか

仕事への責任感

仕事の自律性が高まることによって仕事への責任感は生まれます。逆に、与えられた仕事を命令通りにこなす職場環境であれば、責任感を感じることは出来ません。仕事への責任感を満たす中核的職務特性は自律性です。

自律性:仕事に対してどれだけの権限、裁量が与えられているか

結果への知識

結果への知識は仕事からのフィードバックを通して自分自身の仕事の能力を把握できるかどうかです。適切なフィードバックがあれば、試行錯誤を繰り返し、成長を実感することが出来るためモチベーション向上に繋がります。結果への知識を満たす中核的職務特性はフィードバックです。

フィードバック:自分が仕事を上手くやれているか、仕事から結果を得ることが出来るかどうか

あとがき

職務特性モデルは働く人間のモチベーションを仕事の特性で説明した理論です。言い換えると、モチベーションは本人の問題ではなく、仕事の内容次第であるという考え方です。「部下に責任感が足りない」と嘆く前に、部下には十分な自律性が与えられているか確認する必要があるようです。
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