カリスマ的リーダーシップとは

カリスマ的リーダーシップの意味

カリスマ的リーダーシップとは1987年にコンガーらによって提唱されたリーダーのカリスマ性に注目したリーダーシップ理論です。リーダーがメンバーにカリスマと認識されることにより熱狂的な支持を得て、力強く組織変革を推し進めるリーダーシップのスタイルです。リーダーのカリスマ性についてはコンガーらがカリスマ的リーダーシップを提唱する以前から研究されていました。従来の研究ではカリスマは人々を引きつける超自然的な資質、つまり生まれつきの才能であると考えられていました。一方、コンガーらはカリスマを持つとされるリーダーの行動に焦点をあてました。そもそも、カリスマ的リーダーは一人では成り立ちません。メンバーがいて、メンバーがリーダーをカリスマであると認識する必要があります。メンバーがリーダーをカリスマであると認識するためには、何らかの目に見える行動があるはずです。そこで、カリスマを持つとされるリーダーの行動に注目し、行動パターンを特定しようとしました。行動パターンが特定出来れば、生まれつきの資質として考えられていたカリスマを能力として身につけることが出来るようになると考えたのです。

カリスマ的リーダーの持つ六つの行動パターン

コンガーらは研究結果からカリスマ的リーダーの持つ六つの行動パターンを特定しました。

ビジョンの表明

メンバーに対して組織の向かうべき方向をビジョンとして示します。シンプルで明確なビジョンを何度も繰り返し伝えることでメンバーに浸透させます。

環境への感受性

企業を取り巻く環境の変化を敏感に察知します。普段から周囲の環境にアンテナを張ることで、危機的状況を察知し、組織が向かうべきビジョンを確信を持って作ることが出来ます。

型にとらわれない行動

カリスマが求められる状況は危機的状況であり、変革が必要な状況です。そのためにはこれまでの常識や前例を疑い、打ち破る力が必要です。

リスクをいとわない

型にとらわれない行動には必ず大きなリスクがついてまわります。その時にリスクをいとわず、リーダー自ら責任を取る覚悟を持たなければいけません。リーダーの覚悟はメンバーにも伝わり、より強い支持に繋がります。

メンバーのニーズに対する感受性

変革には仕事における前例や慣習を否定することが必要です。そして、前例や慣習を否定するということは、これまでその仕事に従事していたメンバーを否定することにもなります。リーダーが無理やり命令しても、メンバーがこれまでの習慣を変えることを拒否すれば変革は失敗するため、リーダーはメンバーの気持ちを理解し、寄り添いながら変革をすすめる必要があります。

現状の否定

変化する経営環境に合わせて、現状に満足せず常に変化、成長を求めます。

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これらの行動パターンから、カリスマは危機的状況において、その状況を打ち破ることができる人物であるとメンバーに認められた時に出現すると考えられます。言い換えれば、大きな変革が必要とされる時にはこれらの行動パターンをとれば、メンバーからカリスマであると認識され、熱狂的な支持を得て変革を行うことが出来るようになります。

あとがき

カリスマ的リーダーシップは強いリーダーシップ像が求められた1980年代アメリカで提唱された理論です。同時期には変革のリーダーシップやビジョナリーリーダーシップなど似たようなリーダーシップ論がいくつか発表されています。どの理論も変革期にリーダーの取るべき行動を示した理論です。それらの理論と比較すると、カリスマ的リーダーシップの特徴はカリスマという性質を行動という側面から定義しようとした点です。コンガーらの提示した行動パターンだけがカリスマの要素であるかという疑問はありますが、カリスマ研究の定説を覆す重要な研究でした。
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