RBV(リソース・ベースト・ビュー)とは競争優位の源泉を企業の内部資源に求める戦略理論です。このブログではこれまで、5F(ファイブフォース)分析やポーターの3つの基本戦略、「リーダー」 「チャレンジャー」 「フォロワー」 「ニッチャー」の戦略など、競争戦略理論の観点で経営戦略を記載してきたので、今回は企業の内部資源の観点で経営戦略を検討する考え方を紹介します。
ポジショニング・ビューとリソース・ベースト・ビューの争い
1990年代までは経営戦略を考える上ではポジショニング・ビューの考え方が基本となっていました。ポジショニング・ビューとはマイケル・ポーターをはじめとする競争戦略理論の考え方がベースとなっており、競争優位の源泉を市場でのポジショニングに求める戦略理論で、市場において特定のポジショニングを得ることで利益を獲得できるという考え方です。先ほども記載した5F(ファイブフォース)分析やポーターの3つの基本戦略などがその例です。しかし当時、あまりにもこのような競争戦略理論の考え方が経営戦略論の中で重視されるようになったので、企業の内部資源を重視した戦略論を唱える学者が次々に現れ、1984年にワーナーフェルトがRBV(リソース・ベースト・ビュー)を提唱し、バーニーがそれを発展させました。
VRIO分析
リソース・ベースト・ビューの言う内部資源とは、いわゆるヒト・モノ・カネといった一般的な有形の資源に加えて、技術力やブランド、情報といった無形の資産も含まれ、これらの資源の組み合わせをケイパビリティ(能力)と呼んでいます。そして、バーニーは企業の内部資源が持続的競争優位の源泉となるための4つの条件を挙げており、これは4つの条件の頭文字をとってVRIOフレームワークと呼ばれています。
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このVRIOの条件を満たした希少かつ模倣困難なケイパビリティを保有し、それを活用して顧客ニーズに応える戦略を立てて実行するのがリソース・ベースト・ビューによる経営戦略論の考え方です。
あとがき
実際、実務としてはポジショニング・ビューとリソース・ベースト・ビュー両方が重要で、両者の考え方に明確な線引きなどは無く、どちらが正しいのか決着もついてません。それぞれの考え方を知って両方の考え方で物事を捉えることが大事なので、今回は内部資源観点での経営戦略の考え方を紹介しました。
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