そもそも人はどのような欲求を持っているのでしょうか?この問いに対してアメリカの心理学者アブラハム・マズローはマズローの欲求5段階説を提唱しました。人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると次々に高次の階層の欲求を求めるようになるというものです。
これら5段階の欲求は何となく腑に落ちると思います。最初は何とか生きるために必要な水や食事などを求める生理的欲求があり、それが確保できたら安全に暮らすための家など欲する安全欲求が芽生え、一人よりも集団で暮らし、集団に愛情を求める社会的欲求に行きます。そして、その社会の中で尊敬されたい尊敬欲求、最後は自分の価値観の中で自分の信じた道へ行く自己実現欲求の段階に行きます。これらは1900年代に提唱されて以来、立証されたことはありませんが、大きな反論も受けることも無く、動機付け理論の礎となっている理論です。
リーダーとしては部下の状態を一段目から見ていき、部下がどの状態にあるのか理解することが必要です。尊敬欲求の段階にいるのであれば少し上の役職に就かせて自信を与えながらモチベートしてあげたり、自己実現欲求の段階にいるのであれば、好きに考えて行動できるよう思い切ってプロジェクトを任せてみるのも良いです。そして、最も重要なことは人の欲求には限りが無いということです。欲求が充たされても次々と新たな欲求が芽生えるので、部下に同じ仕事だけを与えるのは厳禁です。マズローの欲求5段階説は動機付けのみならず、人の購買行動などマーケティングなどにも応用が効くので、覚えておくべき理論です。
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