ジョン・コッターの八段階プロセスとは

遡ること1980年代、アメリカは日本をはじめとする新興国の成長に押され、これまでの方法では通用しなくなり、企業では変革が求められるようになりました。多くの企業で変革を試みましたが、ほとんどは失敗。ハーバード大学教授のジョン・コッターは失敗の原因を分析し、8つのプロセスを通ることで変革を行うことができるとしました。これがジョン・コッターの八段階プロセスです。

ジョンコッターの八段階プロセスの概略

1. 組織全体の危機感を高める
まずは時代の変化や問題を可視化して「現状を変える必要がある」と組織全体に認識させる。

2. 変革推進チームを結成
変革をリードする立役者を任命する。変革を主導できる権限、能力、パワーのある人が望ましい。

3. ビジョンの策定
ビジョンを生み出し、ビジョンを実現するための戦略を立案する。ビジョンは変革メンバーの拠り所となるため、実現が待望され、実現可能のイメージが付くことが望ましい。

4. ビジョンの伝達
設定したビジョンを組織全体に伝え、変革を促す。設定したビジョンを認知するだけでなく、理解・共感してもらうことが必要。

5. 組織全体の自発的な行動を促す
組織全体がビジョン達成に向けて行動していけるよう、障害となりうる組織構造やシステム、人事評価方法などを排除、改定する。

6. 短期的な成果を実現する
変革の勢いを維持するために、短期的な計画を設定し、成果に対し明確に報酬を与える。

7. 成果を生かし、更なる変革を進める
成果を積み上げて、より影響力のある人物を巻き込んだり、変革に馴染まない組織構造やシステムを改定して変革を推進する。

8. 変革を根づかせる
変革したビジョンを組織に定着させ、企業文化として定着させる


ジョン・コッターの八段階プロセスは、変革にはこれら8つのプロセスをそれぞれ飛ばすことなく、順を追って進めていく必要があるとしています。
.
関連記事:
変革のリーダーシップ/クルト・レヴィンの三段階変革プロセス/リーダーシップとマネジメントの違い/ビジョナリーリーダーシップ
.
リーダーシップ論の記事一覧はコチラ


スポンサードリンク


次の記事

目次 1 カリスマ的リーダーシップの意味2 カリスマ的リーダーの持つ六つの行動パターン2.1 ビジョンの表明2.2 環境への感受性2.3 型にとらわれない行動2.4 リスクをいとわない2[…]

当サイトのランダム記事2つ

結論から書きます。面接で自己PRや志願動機のセリフを覚えるべきか迷っている方は多いと思いますが、セリフは覚えず、面接前に話の方向性を整理しておく程度で良いです。採用側の立場からして、最も確認したい部分は学生の人間性(内面)であり、セリフを覚えて発言さ […]

ハーズバーグの二要因理論の意味 二要因理論とは、1960年代にハーズバーグ(Herzberg)が提唱したモチベーションに関する理論です。仕事に対して満足感を感じる動機づけ要因と不満を引き起こす衛生要因は分けて考えるべきということを述べています。 動機 […]



スポンサードリンク

リーダーシップ論の最新記事8件